上り下りしやすい階段を考える
高齢者の住む住宅の計画では、平屋が移動も楽で良さそうなイメージがあります。
しかし、体が動かせる状況であれば階段をなくすよりも上り下りしやすい階段を付けて体を動かした方がいいのでは?と思っています。
実際、自分自身も体調不良で手術・入院をした後はまともに歩くこともできなかったのですが、自宅が階段だらけなので強制的にリハビリになったという経験をしています。
そこで考える上り下りしやすい階段は?というお話しです。
階段では段の高さを蹴上げ(けあげ)・面のことを踏面(ふみづら)・上の段との重なりを蹴込み(けこみ)といいます。
住宅の設計の場合、法律では蹴上げが230ミリ以下、踏面150ミリ以上と決まっています。
実際その通りギリギリに作るとハシゴみたいになって上り下りが大変です。
蹴上げは実際に登りやすい大きさはだいたい180~200ミリくらいの高さだと思います。
写真は我が家の1階から2階の階段です。180ミリは結構低めです。
低ければいいかと思うとそうでもなくて、あまり低いと踏面が大きくないと歩幅が合わなくなってきます。
踏面は240~250くらいで設計することが多いです。
どちらかというと下りる時に影響するところで、下があまり見えない状況でも安心感があると思います。
蹴込み寸法は20~30くらい
ここが広いと板の大きさが増えるの足が乗せやすいのですが、あまり大きくなると上る時につま先が引っかかりやすいので、このくらいが良さそうです。
手すりの高さも重要で、一般的には750ミリくらいの高さ
上る時には上の方を持って上るのであまり高いと握りにくいのでは?と思っています。
また、あまり低いと今度は下りる時に自分を支えるのに前のめりになってしまうのでは?と考えています。
欲を言えば子供用にこの下の段にもう一つあるといいかもしれません。
こういった周り段は、なるべく付けないようにしています。
三角の尖ったところはほとんど足を乗せる場が無いので、当然転びやすい。
仕方なくつける場合は転んでもダメージの少ないように、なるべく一番下の方に付けます。
こんな実用的なところも大事ですが、最終的にはデザインもかなり大事だと思って設計をしています。